こんにちは。
三葉堂寫眞機店 店主の稲田です。
ハッセルブラッドについて、悩むスタッフ松田の話がお客様に好評でしたので、今回はも~~~っとディープな話をしたいと思います。
『六枚玉』って聞いたことありますか?
HASSELBLAD 500シリーズはボディもレンズもマイナーチェンジが多く、中でもレンズは数年しか作れていなかったというものがいくつかあります。
HASSELBLAD用の標準レンズといえば、Planar 80mm f2.8でC・CF・CFIなどバージョンがありますね。
さらにCレンズはnonT*の白鏡胴とT*の黒鏡胴に分かれています。
このあたりはハッセルを欲しくなってきてる人なら目にしたことがあるかなと思います。
C Planar 80mm f2.8 nonT*には更に最初期型に当たるものがあります。
これが俗に言う『六枚玉』というレンズで、このレンズ1本の中にガラスレンズが6枚入っていることから、そう呼ばれています。
一般的な白鏡胴の80mmは『七枚玉』、つまり7枚のレンズが使われています。
ここはかなりコアな内容ですが、厳密にいうと白鏡胴の製造年としては3世代あり、
1956~1961年頃まではnonT*『六枚玉』
1960~1973年頃までがnonT*『七枚玉』
1971~1972年頃までがT*『七枚玉』
(資料によって若干異なる場合があります)
と、一言に「白鏡胴の標準レンズ」といっても色々あるんです。
今回はこの中で『六枚玉』のお話をしていきます。
『六枚玉』と『七枚玉』はまず見た目で明らかに違いがわかります。
銘板を見れば一目瞭然ですが、文字のフォントも違うし、文字の感覚も広くとられております。
フォントサイズが大きいところは古いカール・ツァイスレンズに通ずるものがあって、たまんないですよね。
また、銘板はまっすぐな板状が一般的ですが、『六枚玉』はすり鉢状のように、斜めになっています。(画像上:六枚玉 / 画像下:七枚玉)
六枚玉は前玉のカーブが強く、ガラス玉感があって、インパクトがありますねぇ。
…角度的にどうしても写真ではわかりにくいので、ぜひ実物でご確認いただきたいところです。
これくらいわかりやすく違っていますので、街中で使っている人を見つけると、ちょっとハッセルこじらせている人は「おっ、六枚玉だねぇ…」と心の中で言いたくなってしまいます笑
レンズの後玉側からみていただくと西ドイツ製を示す刻印があるモデルもございます。
生産時期や販売国などによって変わってきますので、見えないところにもこだわりのある方はこんなところ見てみてもおもしろいですね。
「MADE IN GERMANY WEST FOR HASSELBLAD」
写りには関係ありませんが、ちょっとテンションがあがる一文ですよね
さらに、六枚玉の中でもめちゃくちゃわかりにくい違いですが、プレビューレバーがついているものと、ついていないものがあります。
プレビューレバーは読んで字のごとく、押し込むと絞り羽根が出てきて、ピントの深さを確認できるレバーです。
これが六枚玉の前期型にはついておりません。
フィルム時代の古いレンズをマウントアダプターでデジタルカメラ等に付けたい方はここを注意してください。
マウントアダプターを使う場合、ボディ側に絞らせる仕組みがないため、絞って撮影したい時は、絞り羽根をあらかじめ出してある状態(実絞り)でシャッターを切る必要があります。
この時、プレビューレバーが必要になります。
プレビューレバーがない前期型ですと開放専用になってしまうので、お探しの際はどっちのモデルなのかチェックしてみてくださいね。
もちろんハッセルブラッドで撮影する場合はプレビューレバーがなくても絞って撮ることが出来ますよ。
白鏡胴レンズのフロントキャップといえば薄いグレーのキャップですね。
六枚玉のどの年代までなのかは定かではないのですが、初期の頃は1600F/1000Fのフロントキャップのような金属キャップがついていました。
1000F用のフロントキャップと見間違えやすいのですが、サイズや内側の作りが違っており、非常に珍しいものとなっています。
当店もこれは持っていなかったので、通常の白キャップです…。
ちなみに僕は1度だけ実物を見たことがあって、今めっちゃ欲しいです。
今回ご案内したレンズは現在店頭で販売中です!
プレビューレバーありとなしとそれぞれありますので、今日の夜、夢に出てきた方はぜひご来店ください笑
プレビューレバーなしは下記オンラインストアページからもお買い求めいただけますので、ぜひチェックしてください◎
では、また。
三葉堂寫眞機店
稲田
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